今回は中古マンションを売却する方法としての不動産会社による仲介について簡単に説明してみたいと思います。
仲介の仕組みがよく分からない方や買取りとどちらにすべきか悩んでいる方はぜひとも参考になさってください。
仲介って何?
仲介とは不動産屋さんが売主さんと買主さんの間に入って不動産についての契約がスムーズに取り交わされるようにいろいろと世話をする取引形態のことをいいます。
つまり、不動産屋さんは取引の当事者ではなく、あくまで売り主さんと買主さんの間を取り持つだけの立場ということになります。
これに対して買取りとは不動産屋さんが売買契約における買主となって、直接、不動産を買い取ることを言います。
不動産屋さんが契約の両当事者の間をとりもつのが仲介、不動産屋さんが契約の当事者(買主)となるのが買取りという風に理解してください。
仲介のメリットは?
仲介の最大のメリットは、市場に存在する多くの買主候補の中から、もっとも好条件でそのマンションを購入してくれる人を見つけることが可能になることでしょう。
買取りを利用する場合に比べて少なくとも2割程度、場合によっては10割ほども高く売却できることになりますので、少しでも高く売りたいという方は是非とも仲介を選択するようにしてください。
買取価格と売却価格の相違のイメージ例
買取り価格が300万円→仲介による売却価格が500万円から600万円
買取り価格が2,500万円→仲介による売却価格が3,000万円から3,500万円
※買取をする不動産会社としては、ある程度の利幅を確保しなければならないので、相場価格の低い不動産ほど仲介による売却価格の買取価格に対する比率が大きくなる
仲介のデメリットは?
仲介の場合の主なデメリットは以下の4つです。
①売却までに時間がかかる
仲介の場合、レインズ登録を行ったり、広告を入れたりして買主さんを見つけるというプロセスに時間がかかるため、どうしても実際に売却できるまでに時間がかかってしまいます。
買取の場合であれば、長くても3週間もあれば売却できてしまいますが、仲介の場合には売却するまでに短くても3週間、下手をすれば半年以上かかることもあります。
②売却するのに手間がかかる
仲介の場合、不動産屋さんと売却活動について何度もやりとりをしたり、購入希望者のマンションの室内の内覧に何度も対応したり、いろいろな手間がかかります。
③売却することを秘密にできない
仲介の場合、買主さんを見つけるためにレインズ登録を行ったり広告を入れたりすることになりますので、どうしても周囲の人にマンションを売却することを知られてしまうことになります。
レインズ登録だけを行って広告を入れなければ、ある程度は秘密にしておくことがきるかもしれませんが、購入希望者の内覧などは必ずありますので、やはり周囲の人にばれてしまう可能性は少なからずあります。
離婚等の特別な事情でマンションを売却することを秘密にしておきたい場合には仲介という方法はとりにくいといえます。
④仲介手数料が発生する
仲介の場合には売買契約成立時に仲介をしてくれた不動産屋さんに仲介手数料を支払わなければなりません。
仲介手数料の金額(報酬規定による上限金額ですが、実際にはこの金額で請求されることが多いです)は以下の方法で計算することができます。
{不動産の売却金額×3% + 6万円}×1.08(不動産の売却金額が400万円以上の場合)
ただし、買取りを選択するとマンションの売却価格が少なくとも20%程度は下がってしまうことを考えれば、比較的、小さな金額といえます。
仲介と買取、どちらを選ぶ人が多い?
こうして仲介のメリットとデメリットを見ていくと、どちらを選択すべきなのか迷われる方も多いと思いますので、他の売主さんがどんな選択をされているのかを少しご紹介しておきます。
まず、自宅不動産については9割程度の売主さんが仲介を選択されています。
やはり、買取りを選択する場合に比べて何百万円も手元に残るお金が大きくなることが重視されているのでしょう。
次に相続財産等の遠方にある不動産については7割程度の売主さんが買取りを選択すると言われています。
これは、遠方にある不動産については、仲介を選択すると売却するのにあまりにも手間がかかってしまうからでしょう。
ただし、個人的な見解としては遠方にある不動産であっても、高額な不動産についてはなるべく仲介を選択する方が良いと思います。
手間を惜しんだ結果、本来手に入るはずだった多額の金銭を捨ててしまうようなことにだけはならないよう、 十分、注意してください。
まとめ
・仲介とは不動産屋さんが売主さんと買主さんの間に入って不動産についての契約がスムーズに取り交わされるようにいろいろと世話をする取引形態のこと。
・仲介の最大のメリットは、市場に存在する多くの買主候補の中から、もっとも好条件でそのマンションを購入してくれる人を見つけることが可能になること。
・仲介の場合の主なデメリットは以下の4つ。
- 売却までに時間がかかる。
- 売却するのに手間がかかる。
- 売却することを秘密にできない。
- 仲介手数料が発生する。
・自宅不動産については9割程度の売主さんが仲介を選択する。
遠方の不動産についても、お金のことを考えるなら、なるべく仲介を選択する方がよい。
コメントを残す